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　筆者は年金生活者で、年金でギリギリの生活をしていながら天体撮影の趣味に取り付かれている。現役の頃から写真を趣味にしていたので、安物ではあるがカメラやレンズは持っていたのでそれらを使って始めたのだが、天体写真というやつは次々と超高価な機材が欲しくなるものである。例にたがわず筆者も買う金も無いのに人気の高い赤道儀や望遠鏡の情報をネットであさっていたのである。

　すると、「欲しいなー」と思っている赤道儀がネットショップにほぼ半値で出ているではありませんか。「お！これならもうちょっと節約して金を貯めれば買えるかもしれない。」と思ってしまったのだ。すごい安売りをする店だなーと思い、それなら望遠鏡はどうだろうと、順次見ていくと、出ている機種はどれもこれも超人気のもので、それがほぼ半値である。

　ここまで見てしまうと、ちょっと頭が覚めて「怪しいな」と感じ始めた。メーカー直販店でも在庫不足になるような人気商品である。望遠鏡専門店間でもカルテルを結んでいるようで、全く同値で販売されているものである。そんな商品がこんな店で半値で売れるはずがないのだ。中古品すら出回らないし、たまにヤフオクに出品されても新品よりも高い値が付くこともあるくらいだ。

　ホームページの作りを調べてみた。結構しっかり作られている。怪しい日本語も使われていない。サイトの名前が「Yahoo!ショッピング」となっているので騙されそうだ。商品説明などは、本物の専門店からそのままコピーしてきているので、信用してしまいそうだ。ただ、カートに入れた後は普通のネットショップなら会員登録から入り、httpsが使われるべきところが普通のhttpのままだ。また、いきなり住所氏名メールアドレスなど個人情報を入力するようになっている。会社概要を見ると法律で定められた項目はひと通りそれらしく記載されている。しかし「合同会社」である。おそらく登記はしているのだろうが、小さい会社でここに載っているほどの高額で大量の商品を扱えるはずがない。決済方法はカード、着払い、銀行振込とひと通り使えるようになっているが、こんな店をカード会社が認可するはずもないし、運送会社だって代引きを引き受けないだろう。問い合わせ先のメールアドレスは@gmail.comである。住所、電話番号も載っているが、その住所をGoogleMapのストリートビューで見ると、2階建てのシャッターが閉まったプレハブ建ての店だ。ネットにある店の名前はどこにも書いてない。設立は2年前になっているが、こんな詐欺サイトを2年間も継続できるのだろうかと疑問に思った。おそらく代金だけ取って商品を送らないような即警察沙汰になるようなことはしていないのだろう。注文しても、在庫がありません。とか納期に半年かかります。とかでキャンセルさせているのではないか。では、なぜこんなネットショップを開いているのかと言えば、個人情報の収集であろう。誰がどんなものを欲しがっているかという情報に住所、電話番号、メールアドレス、クレジット番号まで付けば、その筋では結構高く売れるのではないだろうか。

　筆者まで安さに釣られて注文しそうになったくらいだから、実際注文してしまう人はかなり多いのではないだろうか。直接の金銭的被害までいかなくても個人情報は確実に流出し、迷惑メールが届いたり、カードが不正使用されたり、というような被害に遭うことになるでしょう。皆様気をつけましょうね！

　このサイトをここでも公表すべきだとおっしゃるかも知れませんが、詐欺サイトの要件は揃っていても、筆者が直接詐欺に遭ったわけではないので断定するわけにはいかないのだ。こんなサイトには注意しましょうねと注意喚起するしか方法はないのだ。

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