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★★ 御嶽山噴火に思う ★★
2014年12月31日

 今日は大みそか。あと数時間で今年も終わろうとしている。

 我が家は大掃除も済ませ、おせちの用意も整い、今はゆっくりテレビを観ているのだが、テレビでは今年を振り返る番組をやっている。これには御嶽山噴火が必ず採りあげられている。

 さて、筆者が今年を振り返ってみてどうだったかというと、我が家にとってもあまり良い年とは言えなかった。当サイトの山写真紀行主体で思い起こしても、最シーズンの夏に家内が急性盲腸炎で入院し、さらにその検査で胃がんが見つかり、山の紅葉時期には盲腸と胃がんのダブル手術を受ける結果となったのである。

 しかし、これをポジティブに考えると、この夏は天候不順であったので、山に行かない方が良かったのかもしれない。また紅葉シーズンも、もしかしたら御嶽山に登って噴火に遭遇していたかもしれないのだが、急性盲腸炎が胃がんの早期発見に導いてくれた結果になり、その手術が9月末となって御嶽山登山を引き留めてくれたということになるのであろうか。

 御嶽山は「山写真紀行」でも何度かとりあげており、近いうちに登頂したい山の最たる候補でもあったのである。2008年には紅葉シーズンに8.5合目あたりまで登り、その紅葉の美しさから次に登頂するなら紅葉シーズンだと確信していたのである。また今年6月にも御嶽山の写真を撮っていたのである。


木曽駒ケ岳から見た御嶽山

 筆者のような山好きは山に登るとき、天候の危険性はよく調べるが、噴火の可能性なんて全く気にしないものだ。日本百名山の内34座は活火山であり、半数近くは火山で出来た山である。火山由来でなくても、すぐ近くに活火山があったり温泉があったりという山を含めると殆どが火山ということになってしまうのだ。  筆者が阿蘇山へ行った時も噴火の危険性は全く気にしなかった。実際入山規制に遭って半日の予定変更を強いられたが、危険性があれば入山規制があるものだと思っていたのだ。御嶽山も然りで危険性が高ければ当然入山規制されるものだと思っていたのだ。それが今回の大参事となったのであろう。後になって、とても予知できる体制ではなかったことを知った次第である。

御嶽山は筆者の年代では死火山と教わったものである。有史以来噴火が無かったからである。それが1979年に突然水蒸気爆発を起こしたのである。そこで活火山に定義し直されたのであるが、おそらくたまたま水蒸気爆発を起こしただけで、当分の間は何も無いだろうとあまくみられたのであろう。筆者もそのように考えていた。これがたったの35年で再度の水蒸気爆発を起こしたのだ。地球の歴史からみれば何千年何万年単位で見るべきであって、たったの千年程度の人間の歴史だけで判断してはいけないという戒めとみるべきである。

今回の大きな犠牲を機会に日本の火山観測体制は強化されることであろう。また我々山好きは山に行く場合は天候だけでなく、噴火の危険性の有無もよく調べて出かけることになるのであろう。亡くなられた大勢の山仲間のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の方々が早い時期に発見されることをお祈り致します。

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