デジタル一眼CF書込み不良

2007年6月10日更新

 デジタル一眼レフNIKON−D70を使い始めて1年半ほど経った頃、数十枚撮影した内の3枚の画像下部分が表示されないという障害が発生した。その後、しばらくは何ともなかったが、山へ花の撮影に出掛けた時、シャッターを押そうとしても反応がないという問題が発生。表示を見ると、残り撮影枚数の表示が変、CF(コンパクトフラッシュ)を認識していないのである。一旦CFを抜き出して再度差し込むと回復するという事態が2〜3度発生した。この日の撮影枚数は100枚を超えていたが、十数枚はJPEGファイルは存在するものの、パソコンへの転送不能で、ファイル名が異常なものであった。カメラでの再生表示もできない。折角良いカットを撮ったつもりだったのに・・と、正に『逃がした魚は大きい』と残念がるばかりであった。その後も何度か同様の現象が発生。CFを取り替えても発生することから、CFとソケットとの接触不良で、不良原因はソケット側にあるのではないかと思われた。その接触不良原因として考えられるのは、何度もCFを抜き差ししたことにより、カメラ基盤とソケットとの接続部が金属疲労で折れて断線したことも考えられる。折れても物理的に接触しているので通常は問題なく記録される。もうひとつ考えられるのは頻繁なCFの抜き差しによりソケットピンの金メッキが剥げて腐食により導通不良を起こしたということである。

 これまではメインのCFは250MBで、予備に128MBを3枚使っていた。これはMINOLTA-DiMARGE7やNIKON-E4300に使っていたものをそのまま予備として使った次第である。通常1〜2日の撮影旅行などでは1日で500MB程度の使用であり、1日分は夜に携帯型ハードディスク「TRIPPER」に移し替えるというやり方であった。また、CFからパソコンへのデータ転送はCFリーダーを使ってきた。このやり方では、1日の内に何度もカメラからCFを抜き挿しする行為をすることになるのである。大まかに計算してみても週に数回の頻度でCFを抜き挿ししているので2年間では500回以上になるのではないかということになる。これでは金属疲労による破断や金メッキ磨耗による腐食も起こり得る。尤もカメラ設計ではその程度のことは当然想定しておくべきであるが、デジタル一眼レフが普及し始めた時代ではメーカーとしても経験不十分であったとしても仕方がないことであろう。

 そこで、筆者としての対策であるが、修理に持ち込むのもひとつの方法であるが、かなり面倒そうで、また日数も費用もかかりそうであったので、原因を一応良い方(金属疲労による破断ではなくピン腐食による導通不良)に想定し、しっかり接触された状態が確保されたら、CFを抜き差ししなければ、良い状態が保持されるのではないか。とし、パソコンへのデータ転送をカメラはUSBジャックを利用してUSBケーブル接続を使うことにし、CFとしては充分容量の大きい2GBを購入することにした。幸いにも大容量のCFの価格は低下しており、おそらくカメラの修理代程度で購入できそうであった。

 2GBのCFを購入し、しっかりと差し込んでみた。筆者の常用画質モードだと1.1K枚すなわち1100枚超ということになる。これなら国内旅行などではCF交換なしで使える。2GBのCFを使い、カメラからUSBでデータを取り出すことによりCFの抜き差しを無しにして数ヶ月、途中初期に1回だけCF認識エラーを起こしたが、もう1度しっかり差し込み直して、その後は問題を起こしていない。このままCFを抜かない限り問題なく持続してくれれば、ソケット配線の破断でなくソケットピンの腐食による接触不良であったということになるのであるが。そう祈りながら使い続けたいものである。とは言ってももうカメラを3年使ったことになる。パソコンなど電子機器は3〜5年が寿命ということになっている。そろそろ買い替えの時期なのかも知れない。昔のフィルムカメラでは高級カメラは『一生もの』という感覚で大切に使われたものであるが、電子機器化したデジカメはどうなのか。そろそろ仕様が安定してきたようであるが、画素数、ダイナミックレンジ、連写機能、手振れ補正機構、画像素子のゴミ除去機構などを考えると最新機種への魅力は大きい。

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