彩湖・道満グリーンパークでのバードウォッチング

更新:2018年12月5日
 私は自宅から近い「彩湖・道満グリーンパーク」をMy fieldとし、野鳥や野草の花の写真撮影をし、最も高頻度で出かけております。すぐ北隣にある「秋ヶ瀬公園」は昔からバードウォッチングで有名で、これを紹介するウェブサイトはいくつかありますが、「彩湖・道満グリーンパーク」では公園の紹介で、彩湖の水鳥を対象に「バードウォッチングもできます」程度の紹介しかありません。しかし、ここでバードウォッチングをしてみると、彩湖の水鳥以外でも「秋ヶ瀬公園」以上に野鳥は豊富です。そこでバードウォッチングの観点から彩湖・道満グリーンパークをここにご紹介させていただくことにしました。
 ここで紹介するのは彩湖・道満グリーンパークだけでなく、彩湖全体をとりまく一帯です。彩湖・道満グリーンパークの詳細については戸田市水と緑の公社サイトをご参照ください。
ここに彩湖の案内図として、彩湖の案内看板を引用させていただきました。

[画像クリックで大きな画像を表示できます]
中心広場:この他にも北にピクニック広場、南にバーベキュー広場があります。人が多く、一見野鳥など居そうに思えませんが、人の少ない朝には冬ならツグミ、カワラヒワ、アトリタヒバリなど、たまにはムナグロシロハラアカハラトラツグミなどが見られます。夏ならヒバリなど、もちろんハクセキレイ、ドバト、キジバト、スズメ、ムクドリなどは年中見られます。案外野鳥の餌となるミミズや昆虫がたくさん居るものです。

[野鳥の名前でリンクしている写真はそれぞれの場所で撮影したものです。]
鑑賞池:彩湖ができる以前からあった公園の池です。釣りOKの池で、多くの釣り人が居ます。この池ではカルガモマガモオオバンバンカイツブリは季節に応じて常時見られます。時々ミコアイサなどが来ることがあります。また、カワセミも見られます。
この池の彩湖側の葦原でクイナも見られました。夏にはヨシゴイオオヨシキリがいます。
この池の周囲ではシメモズ、シロハラ、オナガ、ヒヨドリはよく見られます。
河川浄化施設:葦原を利用して水を浄化する施設で、一面葦原になっています。写真の建物は自然学習センターです。ここでは冬はジョウビタキ、アオジ、ホオジロなどが歩道に出てきた時に、夏はオオヨシキリ、セッカなどが囀る時に見られます。
上空をオオタカノスリチョウゲンボウが舞うこともよくあります。
彩湖管理橋:彩湖の真ん中にあり、対岸に渡れます。管理橋から下流側には浮島が設けられています。浮島にはいつもアオサギが並んで休憩したり、獲物を狙ったりしています。水面には冬にオオバン、カンムリカイツブリ、カワウ、カイツブリ、カルガモが常時見られます。オカヨシガモも群でいたこともあります。オオバンは人が居ない時に陸にあがって草を食べていますが、人が近づくと一斉に湖に戻ります。
彩湖:管理橋から上流側が彩湖としてバードウォッチングの対象になっており、こちらにいる水鳥は種類も豊富です。冬期に必ず見られるのは、オオバンカンムリカイツブリカルガモマガモヨシガモキンクロハジロ、ホシハジロ、カイツブリユリカモメ、カワウなどです。時々やってくる珍しい種類ではミコアイサ、ハジロカイツブリ,、ホオジロガモなどですが、湖が大きいだけにスコープや双眼鏡を使わないと観察しづらいです。ここの水鳥はあまり人馴れしないのであまり岸辺には近づいてきません。ただユリカモメだけは餌を与える人がいると集まってきています。
岸辺にはイソシギ、ハクセキレイがよく見られます。
天候等の条件に依ってはたくさんの水鳥が彩湖に集まってくることもあり、そんなときにはもっとたくさんの種類も見られます。
夏には水鳥はかなり少なくなりますが、カルガモ、カイツブリ、カワウ、カモメ類などはいます。時々コアジサシが観られることもあります。
彩湖対岸下流側:管理橋を渡って幸魂大橋側は本来バードウォッチング用に設けられた場所で、彩湖側とビオトープにハイドも設けられています。彩湖側は目の前に浮島があり、ここに並ぶアオサギが観察できます。また、浮島との間の水面ではカワウ、カンムリカイツブリ、カイツブリがハイド裏から観察すれば、比較的近い距離で見られます。
写真の道路右側は竹やぶや雑木林、ビオトープ、草やぶでいかにも野鳥が居そうな雰囲気です。実際野鳥のねぐらや餌場になっており、多くの野鳥が居ます。ここで見られた野鳥はカワラヒワ、カシラダカ、モズ、ジョウビタキベニマシコ、ホオジロ、オオジュリン、アオジ、シメ、メジロ、ウグイス、ムクドリ、ハクセキレイ、ツグミ、シジュウカラ、オナガ、コゲラ、スズメ、カラス、セッカなどです。もっと多種類がいるかも知れませんが、やぶの密度が高く見通しが利かないため、鳥が居ても見つけるのは困難です。しかし、野鳥達は水飲みや水浴びのため、やぶから道路を横切って彩湖に通っており、この瞬間だけみることができます。時々道路脇の木や葦に留まることがあり、この時が観察や撮影のチャンスになります。
右の写真は幸魂大橋側からで、写真右側にあるハイドは彩湖側です。写真中央の木は桜ですが、冬場にはこの木にカワラヒワが群でいることが多いです。この左側のやぶでは上に挙げた野鳥達が盛んに採餌しています。
彩湖対岸上流側:ここには広い舗装道路があり、彩湖半周のウォーキング、ジョギング、サイクリングに使われており、土日ではかなりの通行量があります。写真では右が彩湖、左が葦原や雑木林ややぶになっており、ここにも多くの野鳥がいます。北端の機場まで2kmほど細長く続いており、2箇所にビオトープが設けられています。ここで観察された野鳥はカワラヒワ、カシラダカ、モズジョウビタキベニマシコホオジロ、アオジ、シメ、メジロ、ウグイス、ムクドリ、ハクセキレイ、ツグミ、シジュウカラ、オナガ、コゲラ、スズメ、カラス、セッカ、アリスイアカハラエナガキジクイナなどです。夏鳥ではキビタキ、ウグイス、オオヨシキリなどです。ここでも野鳥達は彩湖との間を水飲み水浴びのため往復しています。
堤防下道路:荒川本流側に堤防があり、その下に工事用道路があります。この道路は上の彩湖周回道路と並行しており、その道路に挟まれた間が野鳥のいる葦原や藪や雑木林になっています。
野鳥観察には日当たりを考慮すれば、午前中は彩湖側道路、午後には堤防側道路が逆光にならないので適しています。ただし、堤防側道路はサイクリングやローラースケートがかなりのスピードで走ってくるので注意が必要です。
堤防では冬はタヒバリ、ホオジロ、カワラヒワ、夏はヒバリ、セッカがよく見られます。
水塚:彩湖対岸には数箇所の水塚が設けられており、ここも野鳥の棲家になっています。またオオバンやヨシガモが陸の草を食べるために上がってくる場所にもなっています。
機場前葦原:ここは彩湖のバードウォッチングの代表的な場所になっています。ここは越流堤横の堤防の上から彩湖の水鳥と葦原の野鳥の両方を観察することができるので、彩湖のバードウォッチングで必ずやってくる場所です。機場にチョウゲンボウが営巣しているらしく、よく見られます。
写真の右下辺りにあるピラカンサに来る野鳥も観察ポイントになっています。
武蔵野線側葦原:上の機場の反対側の武蔵野線側は葦原になっており、夏場はオオヨシキリがたくさん囀っています。写真ではサクラソウの試験植生のため葦が焼かれています。以前誰かの火の不始末から火災になったことで立入り禁止になったままなので、オオヨシキリやセッカ、ヒバリなどは堤防の上からの観察になります。
彩湖公園側:公園側は写真のように柵が設けられており、東屋もあります。水鳥の観察であれば、午前中ならこちら側からが適しています。また、水鳥は彩湖の上流側の方がたくさん居ます。
道路沿いは並木が植えられており、ここはメジロがねぐらにしていることが多く、夕方にはたくさん集まってきます。鳴き声は聞こえますが、あまり見えません。
有料釣り場の先端:ここは道路から見える部分でいかにも野鳥が居そうな雰囲気があります。しかし、どうやら通り道になっているだけのようで、必ずしも覗いた時に見られるわけではなさそうです。ここで見られた野鳥は、アオサギ、カイツブリ、カルガモ、コサギ、チュウサギ、カワセミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、コゲラ、アトリ、メジロなどです。
駐車場の柿木:ここの柿が熟す頃には、ヒヨドリ、メジロ、オナガ、ムクドリ、スズメ、ツグミなどが柿を食べに集まります。
またこの写真の左に当たる場所にあるピラカンサの実にもヒヨドリオナガツグミが集まります。
北駐車場のヤドリギ:写真のヤドリギがあり、3月にはレンジャクがやってきます。今のところあまり知られていませんが、駐車場のど真ん中なので、秋ヶ瀬公園のように大勢が三脚をたてて撮影というのはちょっと問題になるかもしれません。
また鑑賞池横の木にもヤドリギが付きはじめており、何年か先にはそちらもレンジャクの餌場になりそうです。
幸魂大橋から下流側:ここは自然保全区域で立入り禁止となっています。葦原が主で木は少ないです。湖岸には入れませんが、堤防の上は徒歩か自転車で通行可能で、遠くからになりますがバードウォッチングは可能です。湖にはたくさんの浮き島があり、ここにはアオサギ、カワウがいます。水面にはカルガモ、マガモ、カンムリカイツブリなどがいますが、幸魂大橋上流側と比べると少ない感じがします。写真で右側にあるビオトープではクイナが観察されました。葦原の中の野鳥は堤防からは殆ど観察することはできません。堤防ではツグミ、カワラヒワ、タヒバリ、などがいます。時々猛禽類も見られます。
風向きによっては隣の下水処理場の臭いが漂ってくることがあるので、臭いに敏感な人にはお薦めできません。
下水処理水の荒川本流への放流口付近にはオオバンやカルガモなど水鳥がたくさん集まっています。処理水は栄養豊富で、プランクトンが多く、またそれを食べる魚が多いためと思われます。
彩湖周辺でのバードウォッチングの方法について、秋ヶ瀬公園などでよく見られるのは、野鳥がいるという場所に三脚を立てて出てくるのを待つというスタイルですが、彩湖周辺では野鳥の居る範囲が非常に広く、野鳥もこの広いフィールドを移動しているので、一箇所に三脚を立てて待っても、望みの野鳥が見られるかどうかはわかりません。ここでのお薦めバードウォッチングスタイルは、歩きまわって見つけた野鳥を観察したり撮影するというものです。

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