私はMeade8"SCT(200mm径2000mm焦点距離)とCelestronC5(125mm径1250mm焦点距離)のシュミットカセグレン望遠鏡を持っています。月や惑星撮影では問題ないのですが、DSO(DeepSkyObjects)を撮影すると(本来シュミカセはDSO向けではありませんが、RCやニュートンなどDSO向け鏡筒まではお金が回らないので)シュミカセの欠点でもあるミラーシフトの問題に悩まされています。シュミカセは大口径でも焦点距離が長いのでF10程度と暗い望遠鏡です。暗いという事は露出時間が長くなります。光害地の我が家からの撮影ではナローバンドのQBPフィルターを通して辛うじてDSOが撮影出来ますが、露出は10分程度となります。既にオートガイド撮影は行っており、30分程度の露出でも追尾できる体制を築いたのですが、オートガイダーではピッタリ追尾しているのに、撮影結果の星は楕円形になり、写ったフレームで星の位置がどんどんズレていきます。当初はオートガイダーの取り付けが甘いから赤道儀の動きで撓んでいるのかと考えていました。ところが、いくらガチガチにオートガイダーを固定しても結果は変わらなかったのです。よくよく考えると、シュミカセの主鏡光軸が鏡筒の傾きが変わることによって僅かですが動くということがわかりました。いわゆるミラーシフトだったのです。特に対象天体が天頂部付近でこの問題が大きく出ます。空の暗さやシーイングなどの撮影条件は天頂部が最も適しているのに天頂部で最も大きくミラーシフトが出るのですね。最近はミラーロック機能が付いたシュミカセなどが出てきていますがそんな最新機種に手が出せる懐ではありません。そこでオフアキシスガイダーならミラーシフトで光軸が移動しても鏡筒本体の向きを補正することでピッタリ合わせられるのではないかと考えた次第です。オフアキシスガイダーとは望遠鏡視野の中で写真撮影の写野から外れた部分の星を使ってオートガイドする方式ですね。特に長焦点望遠鏡に使われます。ただ問題点として、ガイド星が狭いオフアキシス視野に入ってくれるかどうかということと、暗い望遠鏡ではなかなかガイド星を認識できない可能性があります。たまたま私は惑星撮影用のASI290MCというオートガイドにも使える高感度カメラも持っているのでこれを利用しようとした次第です。
本日届いたので、早速取り付けてみました。すんなり取り付けることが出来ず、手持ちのアダプター類を付けたり外したりしてようやく写真のように取り付けることが出来ました。ただ1ヶ所ストッパーリングで金属製のものが無く薄いプラスチック製のものを応急的に使っているのでちょっと不安な面もあります。後は両カメラの焦点位置を合わせられるかどうかですが、定規で測ってみるとどちらもほぼ70mm前後なのでガイドカメラ側の調節でピントは合わせられそうです。これは購入時にZWO社製を選んだのが良かったようです。撮影カメラ側にはQBPフィルターも入っています。
あとは光害地でも認識できるガイド星を狭い視野に取り込めるかどうかですね。今日明日は曇り空なので明後日がファーストライトになりそうです。ファーストライトには天頂付近を通過するM33で試してみます。